2014年5月27日「情報処理稼業」
夕方に工場の大通りで、向かいの歩道から
「矢野さん!矢野さん!」
と声がして、
遠くのほうに自分とは違う色の作業服を着た方が居ました。
私は顔や名前を覚えるのが苦手で、思い出せませんでしたが、
私の事を知っている方に間違いありませんでしたから、
立ち止まって、笑顔でお辞儀をして通り過ぎました。
しばらくして、
あの作業服は、14年前に私が担当していた工場の作業服だったろうと思いました。
14年前は私は、情報処理稼業をしておりました。
工場の現場で使うソフトを作っていたのですが、
私はその頃、駄目なソフトしか作れませんでした。
よく朝一番に、
「うまく動かないのですが現場に見に来てもらえませんか」
と電話が掛かって、
現場に飛んで行って現象を見て、
事務所に戻ってソフトを見ると、確かに問題を引き起こす自分の間違いがあって、
それを直してもう一度現場に行って、直したソフトをすべてのパソコンに入れて回って、
夕方5時にやっと終わって、
それから、朝から取り掛かるつもりだった
「今作っているソフト」を作り始めて、
気が付くと時計の針が翌日になっていて、
そろそろ家に帰って来るかと思って深夜に帰って、
朝8時にはもう会社に居ました。
グッタリ疲れて夕方から作る新しいソフトも
注意散漫な中で作るので結果的に不具合だらけになってしまい、
疲れが不具合を、不具合が疲れを呼ぶ
この悪循環を断ち切りたいと思って過ごしていました。
担当して数年が過ぎて、
トラブルもおさまって連絡も無く穏やかに過ごせるようになった頃に
私は別の工場に行くことになりました。
昔さんざん迷惑を掛けた職場の方が声を掛けてくれたので、
そのような事を思い出して、
もし今も当時の事を悪く思っていたなら
石が飛んでくることはあっても声は掛からないだろうと思うと、
とても嬉しかったです。