2014年7月11日「孝行息子」
恐怖の大王である現実様と戦うとき、
今でも みっともないほどモガいて、苦しみます。
ゲンジツさまは容赦がありません。
少しでも隙があればソフトを故障に追い込みます。
「これは社長の承認を得た設計書である、頭が高い、控えおろう!」
と威勢よく言ってみても、
現実様は、そのようなことは全く意に介さず、
あっと言う間にソフトは故障し、壊滅させられます。
中学3年生の頃にコンピュータを志してから今日までの28年間、
自分の書くソフトウェアの品質向上に執念を燃やしてきました。
ずっと、恐怖の大王である現実様とだけ勝負しています。
その他の、今たまたま近くにいる人々や、
他のソフトウェアとの勝負には全く興味がありません。
我が息子であるソフトウェアが、
現実様との戦いに勝利することだけを夢見ています。
現実に停まらないソフトを、
1秒でも長く 生き永らえるソフトを書こうとして、
28年間に渡って積み上げてきた、
沢山の知識をつないで得た知恵を総動員してもなお、
今でもソフトを作るときには必死に、
周囲から見ればみっともないほどにモガきにモガいて、
苦しみぬいて作ります。
現実に停まったなら、もう負けなのです。
恐怖の大王である現実様に敗北を喫したのです。
配慮の足りなさから生まれた鎧のわずかな隙間を狙って、現実様が剣を差し込んだのです。
そのとき、言い訳は自分の価値を下げるだけです。
私の息子のようなソフトが、今年の6月に10歳になりました。
その間、一度も故障で停止したことがありません。
私の一番の孝行息子で、稼ぎ頭です。
現実様とのプライドを賭けた戦いに本当に勝ったのかどうかは、
いつの日か、ソフトを廃棄する日に判ります。