矢 野 純 T O D A Y 瓦 版

泥沼音遊び(その2)


バックロードホーンスピーカー
「ださん」の製作

完成 2020年2月15日

[経緯]

  11年前に「よこい」という名前の

  バックロードホーンスピーカーを設計・製作して

  パソコンデスクに置いて使ってきました。

  

  4Kディスプレイに買い替えたくなりました。

  「よこい」の間に置けるディスプレイの大きさに制限があって

  ちょうどよいディスプレイがありませんでした。


  「よこい」を撤去すればパソコンデスクに

  31.5インチの4Kディスプレイが置ける事が判りました。

  ディスプレイを買い換えて

  パソコンデスクの両脇に置くスピーカーを作ることにしました。

[検討]

  今年の正月にバックロードホーンスピーカーの事を検索していたら

  最近はバックロードホーンスピーカーの

  特性シミュレーション・ソフトがある事を知りました。

  

  上段の黒い線のグラフは、シミュレーション・ソフト「Hornresp」に

  拙作のバックロードホーンスピーカー2機種の

  設計パラメータを入力してシミュレーションした結果です。

  下段の赤い線のグラフは、実機をマイクで測定したグラフです。

  近い形のグラフが表示されて驚きました。


  もうシミュレーション頼みで、

  ソフト上で適当に設計パラメータを変えてみて

  なんか良い感じのグラフになるようにしておけば

  良いスピーカーが作れるのではないかと思いました。


  今回のスピーカーでは「よこい」で使用していた

  FOSTEX FE83-SOLを流用します。


  ユニットの特性をHornrespに打ち込んで

  設計パラメータを適当に変えていき

  自作のエクセルでホーン面積の広がり方を考えたり

  材料の寸法の都合や設置場所の寸法の都合も考えたりしながら

  諸々うまく収まる感じの、なんか良い感じのグラフを作りました。

  

  その時に画面に設定されていた設計パラメータは

    空気室容積(Vas) 0.85リットル

    スロート断面積(S1) 21cm2

    ホーン長(L) 357cm

    ホーン開口面積(S2) 140cm2

  です。


  正弦波発生ソフトを使ってサインスイープ音を発生させて

  バックローホーンスピーカーで鳴らすと

  ユニット前面の音とホーンの音が干渉して

  グラフのようなノコギリ状態の周波数特性になるのですが

  音楽ファイルを再生してみると

  下図の赤い点線のような特性になったように聴こえます。

  

  エクセルで設計図を描きました。

  図を描くのが面倒だったので描いたのはこの1枚だけです。

  

  

[製作]

  部品を切り出しているときの写真を撮り忘れました。

  

  パイン集成材とSPF(1x4材)、爪付きナットとキャップボルト、

  スピーカー端子、塗料を買って15000円位です。

  ユニットは流用(現行の同じ寸法のユニットが2本で11000円位です)、

  ファストン端子、スピーカーケーブル、

  軸細コーススレッドは買い置きの物を使いました。


  バッフル板の加工に失敗して作り直しました。

  

  amazonで端子の金具を8個995円で買い

  物置にあった素麺の木箱の端切れで端子台を作りました。

  ケチなんです。

  

  完成後に内側になる部分を塗装しました。

  完成後にホーン開口から覗ける部分だけ濃く塗りました。

  手抜きです。

  

  ユニット〜端子台用と、端子台〜アンプ用のケーブルを加工しました。

  

  同じ寸法の板を買ってきて部品を作っても

  組んでいくと板同士に段差ができます。

  段差があるとそこから音が、思わぬ方向に漏れて困るので

  カンナを掛けて段差を均したのですが、カンナで削りすぎたりもしました。

  
  
  
  

[外観]

  
  
  
  

[試聴]

  正弦波発生ソフトで低音を聴いてみた所

    50Hz 充分出る
    40Hz 少し出る
    30Hz かすかに出る
    20Hz 無音

  といった具合です。

  50Hzより上の帯域を10Hz刻みで聴いてみました。

  シミュレーション・グラフの予想に近い動きでした。

  時間が出来たらマイクで特性を実測して

  シミュレーション・グラフと比較しようと思います。


  音楽を聴いた感じでも、

  シミュレーション・グラフの(赤い点線の)特性に近い感じに聴こえます。


  前作「よこい」では、200Hz付近の音が盛大に出たため

  相対的に低音が足りなくなりました。

  今回のスピーカーも200Hz付近の音が盛大に出る事を予想して

  低音も盛大にでるようなホーンにしたので

  (前作に比べて)バランスが取れました。

[測定] 2020.2.25実施

  wavegeneでサインスイープ音を発生させ、

  マイクとwavespectraで測定しました。

  

  hornrespのシミュレーション結果に近い形になっていると思います。

  前作「よこい」と比べて低音域の下限が広がったと思います。

  

  「がんたれ」(FOSTEX FE138ES-R(13cmユニット))のホーン長が338cmで、

  今回の「ださん」がホーン長357cmです。

  ホーン長が近いのでグラフの山と谷の位置が同じような傾向になりました。

  設置できる大きさに収まるとしたら

  ホーン長4m位までは、延ばせるだけ延ばしたほうが良いと思います。

[後書き]

  スピーカーに名前を付けています。

  後になってスピーカーの事を聞かれたときに

  どのスピーカーの話なのか判るようにするためです。


  シミュレーションに近い結果が得られることを

  期待して作ったスピーカーなので

  名前を「ださん」(打算)と名付けました。

    コンピュータ・シミュレーションの事と打算と言うとは何事か!

  とオーディオに詳しい知らないヒトから

  突然文句を言われるような気がしたため

    da SUN

  と画像に書いておきました。

    FE83-SOLを使っているから太陽なのだろう

  とか、良い方向に誤解しておいて欲しいです。


  シミュレーション結果に近いものが出来て

  音質的に前作「よこい」を上回る成果が得られたと思います。

  しかしアイディアも思い入れもなく

  シミュレータに言われるがままに作っただけなので

  もう次に何を改良したら良いのか、何も思いつきません。


  バックロードホーンはロマンだと書いているヒトが居ました。

  シミュレーションで大方の予想が付く事が判ったので

  私の中からはロマンが無くなってしまいました。


泥沼音遊び(その2)へ戻る。